ビルディングオートメーションにおけるHVACアプリケーション向け白金温度センサ
ビルディングオートメーションにおけるHVACアプリケーション向け白金温度センサ

快適な暮らしを実現するHVACとスマートビルディング技術

室内温度、湿度、空気質は生活の快適さに直結するため、住宅や商業施設では、暖房、換気、空調(HVAC)技術の重要性がますます高まっています。ビルディングオートメーションやスマートビルディングには正確なセンシング技術が必要です。戸建て住宅や商業・工業ビルの総エネルギー消費量、CO2排出量、運用コストは、HVAC設備の品質とセンサネットワークへの統合に依存しています。

 

HVACアプリケーションに不可欠な温度センサ

温度センサは、HVACアプリケーションにおいて重要な役割を担っています。室内制御に加え、建物に温水や冷気を供給する配管やダクトの温度設定もしています。また、ヒートメーターやコールドメーターを通して、家庭のエネルギー消費量を正確に測定するのにもセンサが役立っています。

温度計、サーモスタット、スマートバルブ、室内制御機器、コントロールユニットなど室温から低温域のHVACアプリケーションに多く使用されています。また、温度管理・制御を必要とするヒーター、ヒートポンブ、チラー、冷却炉、空調システムなど多岐にわたっています。

 

HVACにおけるセンサ技術

HVAC環境で使用されるセンサ技術は様々で、最も一般的に使用されているのは、測温抵抗体(RTD)とNTCサーミスタです。

 

白金測温抵抗体とセンサ設計について

白金測温抵抗体(Pt-RTD)は、低ドリフト、優れた長期安定性、再現性および耐熱性を兼ね備えています。HVACで使用される一般的なRTDの抵抗値は、500Ω(Pt500)と1000Ω(Pt1000)です。白金測温抵抗体とNTCサーミスタの違いについては当社までお問い合わせください。

センサ素子とセンサプローブの設計は、温度測定の特性に影響を及ぼすことがあります。多くのHVACアプリケーションでは、白金素子を保護するためにステンレス製のプローブハウジングが使用されています。精密ダクトセンサや浸漬型センサには、リード線付き白金測温抵抗体が使用されています。例) YAGEO Nexensos Mタイプ

プリント基板実装のPCBタイプとSMDタイプの白金測温抵抗体

ヤゲオネクセンソスのPCBタイプは小型のPCBに白金測温抵抗体を実装しています。高精度な温度測定、センサプローブへの組付けが容易であるため、効率的な生産プロセスをサポートします。これらの特長が、ヒートメーターやその他HVACアプリケーションに最適なソリューションとなっています。

一般的なSMDタイプは、オンボードの温度センサ、壁付サーモスタット、その他ガスセンサなどの温度補正に使用されています。

ヤゲオネクセンソスの製品ポートフォリオに、これらPCBとSMDタイプは含まれています。

白金測温抵抗体の特長である高精度、標準化されたリニア信号、長期安定性、低ドリフトでバリューチェーンにおけるコスト削減を実現

白金測温抵抗体は、高精度、低ドリフト、抵抗値が温度に比例してリニアに変化します。高い再現性と厳密な温度管理は、複雑なセンサネットワークのエラーバジェットの削減に役立ちます。また、優れた長期安定性と互換性は、再校正やメンテナンスコストを削減します。

リニアに変化する特性は、センサ設計を容易にします。さらに、長年使用した後でも簡単にセンサの交換が可能です。

 

白金測温抵抗体 - HVAC機器とスマートホーム制御における正確で信頼性の高い温度測定

白金測温抵抗体は、炉、ガスバーナー、ヒートポンプに使用されており、正確な測定と制御を行います。蒸気や過熱水蒸気システムは、広温度範囲の特長をもつ白金測温抵抗体により信頼性の高い温度監視を実現しています。薪ストーブにおいては、排ガスやCO2排出を抑えるために高温で運転されています。白金測温抵抗体は、800℃以上の高温でも安全な運転を保証し、燃焼効率を最適化します。高温性能により、過酷な条件下にあるアプリケーションをサポートします。

また、チラーや工業用冷却塔などの低温HVACプリケーション向けにも、白金測温抵抗体は正確で信頼性の温度測定を実現しています。

スマートホームやビルディングにおいても、精密な温度監視と制御が不可欠です。室内空気と温度を監視するスタンドアローンのデバイスや、自動化機能のデバイスなど、様々なセンサや制御装置に必要とされています。近年のスマートビルディングのトレンドにより、センサネットワーク内のセンサや機器の統合の必要性がますます高まっています。白金測温抵抗体は、これらのネットワークの信頼性を高め、高精度でかつメンテナンスを容易にします。

 

熱量計向け高精度の白金PCBセンサ

ヒートメーターやコールドメーターは、精度と耐用年数に関して厳しく規制されています。白金測温抵抗体は、これらの適用基準を満たすために必要な高精度と長期安定性を兼ね備えています。マンションやアパートの水道管の流出口に設置している熱量計には、センサプローブが使用されており、流量と温度差から建物内の暖房に消費されるエネルギーを正確に計算しています。このアプリケーションでは、SMDがPCBに実装された白金測温抵抗体が一般的に使用されています。PCB設計により、センサプローブの組み立てプロセスが簡素化され、SMDセンサチップのはんだパッドと接合部分のデカップリングを可能にします。これらの機能が、システムの精度をさらに向上させています。熱量計向けPCBの詳細については、こちら をご覧ください。

Heat Meter

白金RTD - 高性能、長期ライフサイクル、低メンテナンスでリーズナブルなコストを実現

システム全体および測定要件との関連から、常に温度測定素子の性能とコストを検討する必要があります。白金測温抵抗体は、アプリケーションの環境に応じて適切にパッケージングされており、互換性のある信号処理エレクトロニクスと組み合わせることで、最高の性能を発揮します。

維持費、管理費などを含むHVACソリューションの全体コストが、最終的にお客様にとって重要な判断基準となっています。

センサの寿命や冗長化、容易なセンサ交換やコスト、センサネットワーク全体の精度を考慮すると、白金測温抵抗体が最適です。白金測温抵抗体は、センサの信頼性を高め、再校正なしで簡単に交換できます。これにより、生産工程におけるメンテナンス率やダウンタイムを低減し、機器やビルオートメーションシステムの信頼性を高めることができます。

同様に、正確で精密なセンサネットワークをサポートし、エネルギーの生成、分配、使用を厳密に制御します。最終的には、エンドユーザーやビル管理者への全体的なコスト削減につながります。

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